VMware vShere ESXiのNICチーミング設定種類とスイッチ構成について。ネットワーク設計

VMWare ESXiにはNICチーミング設定があります。
チーミングには、

  • ネットワークの「ロードバランス(負荷分散)」という機能
  • ネットワークの障害時の「冗長化」という機能

があります。
このNICチーミングについて説明します。

VMware vSphere ESXiのNICチーミング設定種類。(ESXi 5.1例)

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前提条件:

本記事では、

  • VMware ESXi 5.1

を使用して画面を説明しています。
ただし、この機能自体はVMware vSphere 4.xから変わっていないので、今後もバージョンによって大きく変わることはないと思います。

VMware ESXiのNICチーミングの設定種類:ロードバランスの設定

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VMwareのNICチーミングのロードバランス機能は、
仮想スイッチから物理NICにくるネットワーク通信パケットをどちらのNICを経由して外に出すかを決める機能です。

仮想マシン→仮想スイッチ→(NICチーミングでどちらの物理NICで出すか考える)→物理NIC(A)→物理スイッチ

つまり、仮想マシンから送信されるネットワークパケットを振り分ける機能ですね!
(そうすることにより自動的にVMwareの場合は、物理スイッチからの受信も振り分けられます)
この振り分け方(ロードバランス)に何種類かあります。

物理NICのロードバランス方法は、4種類から選択できる。

  • 発信元の仮想ポートIDに基づいたルート

発信元となる仮想マシンが接続する仮想スイッチ上のポート(仮想ポート)IDに基づく制御(ポートIDベース)、トラフィックが仮想スイッチに入る仮想ポートに基づいてアップリンク(物理NIC)を選択します。
送信元仮想ポートID方式。デフォルト利用されるアルゴリズム。

仮想NICが接続している仮想ポートごとに、利用する物理NICを決定する。

  • 発信元MACアドレスのハッシュ値に基づく制御(MACハッシュ・ベース)、

各パケットの送信元と宛先の IP アドレスのハッシュに基づいて、アップリンク(物理NIC)を選択します。
IP 以外のパケットの場合は、すべてそれらのオフセットを使用してハッシュを計算します。
送信元MACハッシュ方式。仮想NICのMACアドレスに基づいて、利用する物理NICを決定するアルゴリズム。

Port ID Basedと同様、単一の仮想NICが単一の物理NICに対応することになる。
※ Port ID Basedの方式で使用する物理NICの偏りが発生する場合、この方式が有効である。

  • IPアドレスのハッシュ値に基づく制御(IPハッシュ・ベース)

送信元のイーサネットのハッシュに基づいて、アップリンク(物理NIC)を選択します。
送信元、宛先IPアドレスハッシュ方式。
トラフィックの送信元アドレスと宛先アドレスのペアの情報をもとに利用する物理NICを決定する仕組みである。
複数の通信先がある場合、単一の仮想NICが複数の物理NICを利用することになる。
負荷分散としては最適な仕組みと言える。

スイッチでIEEE 802.3adLink Aggregationを有効にする必要があり、スタック構成が推奨。

  • 明示的なフェールオーバーである。

アクティブ アダプタのリストから、フェイルオーバーの検知基準を満たした最上位のアップリンクを常に使用します。

ポートグループ単位で物理NICに対応します。

 

参考:VMwareでいわゆるActive-Standbyのチーミングを作成したい場合はどうする?

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上記の4種類のロードバランシング方法ではなく、でいわゆるActive-Standbyのチーミングを作成したい場合は
「有効なアダプタ」と「スタンバイアダプタ」を設定することが出来ますので、これによりActive-Standbyのチーミング構成を組むことが出来ます。

 

「IPアドレスのハッシュ値に基づく制御(IPハッシュ・ベース)」だけスイッチ設計に注意!

VMware NICチーミングにロードバランスの種類として四つありました。

  • 発信元の仮想ポートIDに基づいたルート
  • 発信元MACアドレスのハッシュ値に基づく制御(MACハッシュ・ベース)、
  • IPアドレスのハッシュ値に基づく制御(IPハッシュ・ベース)
  • 明示的なフェールオーバーである。

これは、二つの種類に分けられます。

送信元(仮想マシン)の情報だけ振り分け方(ロードバランス方法)を決定したもの

  • 発信元の仮想ポートIDに基づいたルート
  • 発信元MACアドレスのハッシュ値に基づく制御(MACハッシュ・ベース)、
  • 明示的なフェールオーバーである。

こちらは仮想マシンの一つの仮想NICからのネットワーク通信がホストの決まった一つの物理NICから送信されます。
どのようにネットワークトラフィックを振り分けるか、お好みで選択します。
(やはりデフォルトの「発信元の仮想ポートIDに基づいたルート」が一番単純で良いと思いますが)

このNICチーミング設定を選んだ場合は、スイッチ設計や構成に依存しません。

送信元(仮想マシン)の情報だけでなく宛先の情報も使って振り分ける方(ロードバランス方法)を決定したもの

  • IPアドレスのハッシュ値に基づく制御(IPハッシュ・ベース)

こちらは仮想マシンの一つの仮想NICからのネットワーク通信がホストの複数の物理NICから送信される可能性があります。

このNICチーミング設定を選んだ場合は、スイッチ設計や構成に依存します。
つまり、NICチーミングのロードバランス方法が、ネットワークスイッチで言うところのLACP(リンクアグリゲーション)に相当するので受け取る側の物理スイッチにもLACPの設定が必要になります。

 

VMware ESXiのNICチーミングの設定種類:ネットワークのフェールオーバー検出

ネットワークの障害検出方法として

  • リンク状態のみ
  • ビーコンの検知

が選べます。
デフォルトの「リンク状態のみ」を選択するのが今現在は無難です。

ビーコンの検知とは?

ビーコン検知とはネットワーク フェイルオーバー検出方法の 1 つです。
チーム内のすべての NIC で送信してビーコン検知を待機し、リンク ステータスに加えてこの情報を使用してリンク障害を判断します。

ビーコニングが最も役立つのは、チーム内にアップリンクが 3 つ以上ある場合です。
使用している 物理NIC が 2 つしかなく、その一方が接続を失っている場合、どちらの 物理NIC を使用停止にすればいいか判断できないからです。

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