ARCserve Replicationによる複製の処理のロジック・仕組みについて

まず、基本的な用語ですがARCserve Replicationによる複製の処理には、「同期」と「レプリケーション」が存在しています。

 

ARCserve レプリケーションの挙動概要。同期とレプリケーションの違い

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簡単に言うと、シナリオ(設定)を実行すると、
まず”同期”が行われ、アクティブとスタンバイのファイルを総なめし違いをなくします。
その後、”レプリケーショ”ンでアクティブからスタンバイに変更部分のみを転送します

ソフトウェアバージョン(構成環境)

  • CA ARCserve Replication /HA r16 SP2
    (以下、ARCserve RHAと省略)

同期処理の詳細。robocopyとはどこが違うのか?

同期はシナリオ開始時や、ユーザ指定のタイミングで、マスタルートディレクトリ(複製元ルートフォルダ/ドライブ)の静止点をVSSスナップショットから作成し、全ファイルリストを作成、ソートしながら、検出された差分をレプリカルートディレクトリ側に送信してその内容を同一とするプロセスとなります。

robocopyのコピーの場合は、静止点を作ったりしませんよね。
このシャドーコピー(VSSスナップショット)とレプリカ側の総なめ・そう比較をしているのです。
そのためかrobocopyよりARCserve RHAは同期処理に時間がかかる印象です。

 

レプリケーションはいつから動作するのか?

同期と同時に開始されるレプリケーションの処理は同期を開始した後の、マスタルートディレクトリ上での全ての更新作業(作成、削除、更新、リネームなど全て)をバイト単位で捕捉し、まずマスタサーバ側のスプールディレクトリにキャッシュした後、レプリカサーバ側のスプールディレクトリに送信します。

同期の実行後、RHAマネージャの「イベント」ペイン内に、以下のメッセージが表示された段階で、レプリカルートディレクトリ(複製先ルートフォルダ/ドライブ)は同期開始時の、マスタルートディレクトリと同一の状態(同期開始時と合致する過去の状態)となってます。

 

シナリオ実行時の注意。ARCserve RHA運用上のポイント

これらのARCserve RHAの仕組みを見ますと、
”同期”処理をする一瞬が特に重要ということが分かります。
”同期”によるVSSスナップショット作成時は、マスタの負荷の低い業務時間帯を選んで実行しましょう。
VSSスナップショットの状態が良くないと、エラーとなってしまう場合があります(例えば大量にファイルコピー中にVSSスナップショットを実行した場合等)

 

ログメッセージ「SR00120 同期処理が完了しました」

本メッセージ表示の後、レプリカサーバ側のスプールディレクトリに蓄積された、同期実行中のマスタルートディレクトリの更新作業がレプリカルートディレクトリ側にも反映されていきます。

SR00120の表示後に以下メッセージが表示される事で、レプリカルートディレクトリ側への更新作業の適用が完了し、マスタルートディレクトリとレプリカルートディレクトリの、現在の状況が同一となった事を確認できます。

 

ログメッセージ「SR00202 同期処理中の変更はすべてレプリケートされました」

「オンライン」「定期的」モードのシナリオでは同期完了、SR00202のメッセージ表示後も、レプリケーションの処理が継続実行されます。

 

この同期/レプリケーションの過程で個別のファイル複製処理に失敗しても、シナリオを手動で停止するか、クリティカルエラー発生により停止するまで、シナリオは実行され続ける動作となります。

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