最近はファイルサーバーのストレージ容量も増えてきて、バックアップにフルバックアップというのは現実的ではなくなってきました。
夜間の間だけでバックアップ出来ない時間的な制約で。
また、土日に一日中フルバックアップという手もありますが、仮にリモートサイトに遠隔バックアップしたいとなったら、フルバックアップは絶望的でしょう・・・。
ということで、レプリケーション製品が出てきます。
しかし、このレプリケーションにも落とし穴があったりします。
レジュメ
ARCserve Replicationでレプリケーション初回の同期にどれくらいの時間がかかるのか?
構成環境:
- Windows Server 2008 R2 (マスタ)
- Windows Server 2008 R2 (レプリカ)
- CA ARCserve RHA r16
ファイルサーバーをCA ARCserve RHAを使用してレプリケーション。
サーバーはSATAでRAID6構成、ネットワークはLAN接続で1Gbps環境
結論、1TBのデータの同期で17時間強以上の時間がかかる
もしも、レプリケーションシナリオが停止してしまった場合、”同期”(初回フルレプリケーション)を行わなければならないのですが、
「同期モード ファイル レベル同期 (以下を無視: 同一サイズ/更新日時のファイル) 」
で同期して、約1TBのデータ同期に17時間程度かかる。
1TB/17 = 60GB/1時間 = 1GB/1分
程度の計算になる。
ただ、マスタとレプリカのファイルの差異が少ない状態で17時間程度なので、差異が増えればこれ以上の時間が余裕でかかるということだ。
もしも、レプリカ側にデータ0のケースを考えると、ちょっとぞっとする。
レプリケーションでのバックアップ時間も初回同期が厄介だ
もしもの有事の際を考えると、上記時間程度が少なくともかかる。
データ転送速度にもよるが、レプリカのデータが0だった場合は、二倍程度の時間がかかると想定される。
つまり、1時間当たりで30GB程度の転送だ。
となると、仮に5TBのファイルサーバーの運用を考えると、初回同期に170時間(一週間強)かかるということだ。
LAN想定ではなく、遠隔地サイトへの初回同期を考えて場合、
上記数値は8MB/s程度なので、単純計算で68Mbpsのデータ転送量になる。
つまり、回線帯域が100Mbpsで上記程度の時間がかかる想定ですね(もちろん距離にも依存する)
かといって、他に遠隔地バックアップを実現する手があるかというと、他に手があるわけではない。
大容量の遠隔地バックアップを実現するには、「なるべく初回同期が発生しないレプリケーション」を選定する必要がある。言い換えると
- ハードウェアが壊れずらい
- 簡単にはフェールオーバーしない
ということがポイントになる思います。