移動ユーザープロファイル(移動プロファイル)の設定をしますと、通常は一時記憶された移動プロファイルキャッシュをローカルにキャッシュします。
逆に、移動プロファイルをローカルにキャッシュしない設定にすると、遅くなるのでしょうか?それとも、ローカルにキャッシュしても毎回ログオン時にフルコピーされ、ログオンが遅いのでしょうか?
レジュメ
環境・前提条件
- パソコン代わりにWindows Server 2016(ドメイン参加)(10.0.0.4)
- プロファイルサーバーとしてWindows Server 2019 兼 ADサーバ(10.0.0.159)
- 移動プロファイルのマイドキュメントには1GBのファイルを保存
を用意しまし、グループポリシーで移動プロファイルの設定をしました。
結論、移動プロファイルキャッシュ(ローカルキャッシュ)があると移動プロファイルからの差分コピーで済むのでログオンが早い!
結果から言いますと、
- ローカルに移動プロファイルキャッシュが無い時と
- ローカルに移動プロファイルキャッシュがある時では、
ログオンの時間差が出ました。
上の画像の実践部分500kbpsの数秒が、ローカルキャッシュがある場合にログオンにかかる時間でした。
動き的には、ローカルキャッシュがある場合はローカルキャッシュが無い場合に比べ、明らかユーザーログオン時間が短かったです。つまり、ローカルキャッシュがある場合は、移動プロファイルからの差分コピーされていると言うことです。
移動プロファイルキャッシュが無いと移動プロファイルを毎回コピーしてくるのでサイズによってはログオンが遅い
こちらの破線が、ローカルキャッシュ無しで移動プロファイルをコピーしてきたネットワーク転送速度です。ローカルキャッシュがあった場合の転送時間(=ログオン時間)と比べてみてください。
ローカルキャッシュが無い場合は1GB弱の転送速度で10秒強発生していますね。
この間、ログオン中でログオンが遅く感じますね。
移動プロファイルサイズが大きい場合やログオンに遅さを感じる場合は
移動プロファイルのサイズが大きくまた毎回変更も大きい場合はログオンやログオフに遅さを感じたりするかもしれません。また、運用上移動プロファイルキャッシュをどうしても削除するケースがありうるとすると、遅さを感じるようになってしまいます。この場合、フォルダリダイレクト設定をしておくと良いです。
フォルダリダイレクトを使用して、大きなドキュメントやピクチャなどのファイルを、移動ユーザー プロファイルとは別に保存します。 これにより、
- ユーザーがオペレーティング システムのバージョンの違いに関係なく、同じファイルを使用できますし、
- さらに、プロファイルが小さく維持され、ログインが速くなる
メリットがあります。
その他に移動プロファイルキャッシュ(ローカルキャッシュ)の効果はあるか?
移動プロファイルがあるプロファイルサーバーがダウンしていた場合も、ローカルキャッシュのプロファイルを使いログオンできます。
その後、移動プロファイルのプロファイルサーバーが復旧した後は、今まで使っていたローカルキャッシュを移動プロファイルとしてプロファイルサーバーに差分もアップされていた。
既にプロファイルを持つユーザーを途中で移動プロファイルのグループポリシーを適用した場合
何にせよ、一番初めはローカルのプロファイルから、移動プロファイルにコピーされるので、例えば移動プロファイルのパスが途中で変わったとしても、
ローカルキャッシュのプロファイル → ログオフ時に新しい移動プロファイル(プロファイルサーバー)
にコピーされます。
要するに、移動プロファイルの設定をしたとしても、一番初めのスタートはロカールプロファイルからがスタートなんですね。
- (移動プロファイルがまだないユーザーは)ローカルでローカルプロファイルを作成(もしくは既に存在)
- ログオフ時に移動プロファイルにコピー
という動きになります。